川口元郷 内科 循環器内科 川口領家循環器内科クリニック

川口領家循環器内科クリニック

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気胸
皆さんは気胸という病気をご存知でしょうか?肺に小さな風船(気腫)ができて、それが破れることによって肺から空気が漏れ出して起こる病気で、胸痛や息切れ、息が吸いづらいなどの症状が出現します。重篤な状態になると命の危険も生じる病気です。
肺の中になぜ風船ができるかは、難しい問題でした。肺の外側の膜(胸膜)の桅弱性が原因とされ、遺伝子レベルでの問題とも言われています。その弱まった胸膜に絶えず空気による圧力が加わることによって、お餅が膨らむように肺に風船ができます。そして、破裂とともに肺内の空気が肺外に出ることによって、肺自体が風船がしぼむようにしぼんでしまいます。肺は呼吸を司る臓器なので機能不全を起こし息苦しさを感じるようになるのです。
肺のしぼみ方が高度なら直ちに、鉛筆の太さほどの管を胸腔内に挿入して、漏れた空気を抜く(脱気)ことが必要となります。空気を抜くことにより肺は再び膨張して呼吸も楽になります。この処置で治れば、管を抜いて治療は終了となりますが、気胸は再発も多い病気です。脱気をしても空気漏れが止まらなかったり、再発した場合は手術による治療となります。現在の手術は、胸を大きく開けることもなく、胸腔鏡というカメラや道具を数センチの傷から挿入して風船を切除する方法がとられています。術後の痛みも軽く歩行や退院も早期にできます。
気胸は痩せ型の若い男性に起きることが多いのですが、若い女性に起きることや年長者で生じる場合もあります。その際には別の病因が存在することもあり注意が必要です。気胸は軽度の状態では、胸痛や息切れなどが初発症状となるので、それら症状がある場合には胸部X線検査を行うことが有用です。当院では診断および、重症時には処置や手術可能な高次病院へのご紹介も致します。
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人間の寿命

現在、人間の生存最高齢はギネス記録によると115歳の女性となっています。人間の寿命とは、一体どの様に規定されるのでしょうか?
人体を構成している細胞は約60兆個といわれています。これらの細胞が日々分裂して新陳代謝が行われ身体が維持されています。細胞の中にはDNA(デオキシリボ核酸)があり、分裂により新たな細胞が作られるのです。そのDNAの末端にはテロメアという部分があり、これが細胞分裂のたびに短くなっていきます。つまり年齢を重ねれば重ねるほどテロメアは短くなるのです。最終的にテロメアは短くなりすぎて、正しい機能を果たせなくなってしまう。すると細胞も分裂ができず、細胞の“死”が訪れます。新陳代謝が低下すれば老化の原因にもなり、DNAの遺伝情報にも問題が生じ細胞分裂が逆に活発となり癌化を引き起こしたりしてしまいます。テロメアは老化に重要な役割を果たしているとされ、テロメアの機能を明らかにした科学者には2009年ノーベル賞が授与されています。
テロメアの短小化が見られない唯一の例外は、卵や精子を生み出す生殖細胞系列の細胞であり、テロメアは常に長い状態で維持されます。生物自体の存在意義はDNAが後世に受け継がれることが重要であり、受け継がれたのであるなら、細胞は必要以上に長寿になる意味はないとも考えられます。
テロメアを短くならないように保存したり、他の遺伝子を過剰発現することにより寿命を延ばす動物実験もされているようです。しかし、身体や細胞の構造は今なお複雑であり、簡単に寿命を延ばしたりすることは、まだまだできないというのが現状のようです。
2003年、レスベラトロールがサーチュインタンパク質に作用して健康や長寿につながるという論文が有名なネイチャー誌に掲載され話題を集めましたが、現在レスベラトロールは薬としては理想的な化合物ではないとされています。長寿に対する憧れは、秦の始皇帝の時代から語られていますが、未だに創薬は混沌とした状態のようです。
当然の話ですが、人間の寿命の全てがテロメアのみで説明できる訳ではありません。生活環境や食生活、嗜好品などの影響も大きいと考えます。

2018.05.30
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