川口元郷 内科 循環器内科 川口領家循環器内科クリニック

川口領家循環器内科クリニック

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院長のひとこと

Director's column

漏斗胸(ろうときょう)

学校も夏休みとなり、ここのところ何人かの漏斗胸の患者さんが来院されました。以前、在籍していた東京女子医大病院では一時期、日本有数の漏斗胸患者さんを診ていました。そこで今回は漏斗胸に関してお話ししたいと思います。

漏斗胸はかなり珍しい病気です。遺伝的な要因があり、出生後から徐々に前胸部にある胸骨が落ち込んでゆく疾患です。症状もなく、徐々に前胸部が変形してゆくので最初はご両親も気が付かないことが多いようです。3歳頃になると前胸部の漏斗状がはっきりしてきますが、成長期の一時的な変化などと思われ、幼稚園や学校生活の中でも見過ごされることがあります。男の子では小学校でのプールなどで友人により指摘され外来を受診する方もいました。

漏斗胸は、肋骨の成長点である肋軟骨の過剰成長が原因で、胸骨が落ち込み漏斗状となります。ですから男女共に胸郭という胸の骨の形が完成するまでの間、漏斗胸は進行することとなります。つまり、年齢を重ねるに従い変形は強くなり背骨にも負荷を掛けて側湾も生じるようになります。心臓や肺の圧迫も起こります。

漏斗胸の症状はほとんどないので、そのまま放置しても構いませんが、治療するならペクタスバー等による手術が必要となります。また、漏斗胸を含んだ胸郭変形疾患においてはマルファン症候群など予後不良な疾患を合併することも稀にあるので、胸の形がおかしいと思われたなら一度ご相談下さい。当院では漏斗胸を含めた胸郭変形疾患も診察いたします。

2018.08.01
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